にこちゃん誕生日記念、2期5話、紅と桜、二人の物語、ここからは構成はフリーダムに。:二人の物語~新しい貴女~(ラブライブ 二次創作 短編 にこまき)/雨泉洋悠 #ラブライブ #lovelive

   二人の物語~新しい貴女~
              雨泉 洋悠

 貴女は私にこれから、どれだけ沢山の、色んな貴女を、見せてくれるのかな。
 そんな貴女に私も、色んな私を見せてあげられているのかな。

 昼間のイベントは、大成功で、凛の可愛さも十分にアピールする事が出来たし、それに、何よりもその、何て言うか。
「どうしたのにこちゃん?」
 昼間のその姿を余り変えずに、いつもと違う姿で私の目の前で揺れる。
「なんでもないわよ」
 それは、ふわふわと、流れ落ちた、彼女の赤髪の房。
 真姫ちゃんは、こう言う時の自分の姿に、自覚はあるのかな。
 何て言うかその、いつもは私の中で、可愛い真姫ちゃん。
 そんな気持ちが出て来ないとおかしいんだけど。
 その赤髪を、昼間の形に結んでいる真姫ちゃんの手は、やっぱりとても綺麗で、私が絶対に届かない鍵盤と鍵盤の間を、当たり前のように駆け抜けられるぐらいには、私の手よりもずっと大きい。
「にこちゃん、なんかいつもよりちょっと顔赤いけど?」
 不意にそんな風にその手で、私の頬に触れてくるものだから、突然過ぎて動けなくなる。
 私の温度が、いつもよりも上がっていることが、真姫ちゃんにはきっとバレてしまう。
「にこちゃん、ほっぺたいつもよりちょっと熱いわね、大丈夫?」
 ううん、大丈夫じゃない、今日の真姫ちゃんには私、大丈夫じゃない。
「うん、真姫ちゃんの手は、いつもと同じで温かいね」
 精一杯の勇気でもって、頬に触れる真姫ちゃんの手に、自分の手を重ねる。
 自分の手が、じわじわと温度を上げていくのが解る。
 真姫ちゃんに、いつも以上に早くなってしまった鼓動、自分の手から伝わっちゃわないかな。
 真姫ちゃんは、いつもの様に嬉しそうに笑ってくれるけれども、その表情と彼女が纏う、少しいつもと違う雰囲気に、言葉を飲まれる。
 こんな真姫ちゃんを見ていると、らしくない自分、本来のらしい自分を、無防備に引き出されてしまいそうになる。
「真姫ちゃん、もう寝よっか」
 何とか引き止める、このままで居ると、私きっと、とんでも無い事をしてしまう。
「うん、今日のにこちゃん、ちょっと熱っぽい感じがするから、大人しく寝ましょう」
 そう言って、顔を近づけて来たかと思うと、私の額に、自分の額を重ねる。
 こんな真姫ちゃん、とても皆に見せられない、それ以上にこんな私、とても皆に見せられない。
 目の前にある、真姫ちゃんの顔は優しくて、それでもやっぱり今日の真姫ちゃんは、いつも以上に凛々しかった。
 いつもの様に、二人で布団の中に潜り込むと、真姫ちゃんは直ぐに目を閉じる。
「おやすみなさい、にこちゃん」
 いつもと違う、その赤髪の房が、私の眼の前を、流れ落ちる様に舞う。
 その向こう側に見える、いつもの真姫ちゃんの顔。
 いつもと同じな筈なのに、少しいつもと違う、凛々しく見えてしまう、真姫ちゃんの横顔。
 同時に伝わって来る、彼女の香り。
 ああ、良いな、こんな、いつもと少し違う真姫ちゃんでも、いつもと変わらない、私と同じ香りがする。
 それが何だか、とても嬉しかった。
「ふふっ」
 思わず漏れた声に、真姫ちゃんが目を開けて、こちらを向いて微笑む。
「どうしたの?思い出し笑い?」
 そう言って、私を見つめる瞳が、向けてくれる深い優しさ。
 ああ、もう、ママと一緒に寝ている時みたい。
 こんないつもと違う、格好良い真姫ちゃんに見つめられていると、らしくない私を、見せてしまう。
「あのね、真姫ちゃん。お願いしても良い?」
 今の私、真姫ちゃんの瞳には、どう映っているのかな。
「うん?なあに?」
 真姫ちゃんが、私と二人だけの時にだけ見せてくれる、優しい笑顔を向けてくれる。
 ああ、今日の私のせいで、普段の二人の立場まで影響受けちゃったら、どうしようか。
「あのね、真姫ちゃんに、もっとくっつきたい」
 もう駄目、今しか言えない事、言っちゃった。
 あ、久々に暗がりの中で、真姫ちゃんの顔が赤くなっていくのが、解る。
「にこちゃん……本当に今日のにこちゃんはもう……」
 天井の方を向いて、目を瞑ると、そんな風に、口元を抑えながら、何かを呟いている。
 何だろ、とにかく喜んで貰えている感は伝わる。
「ダメ?」
 やっぱりこう言う時はいつもの如く、追い込んでみるのが良いかな。
 真姫ちゃんは、私の言葉に、天上を向いたまま、大きく首を振る。
「ダメなわけ、無いじゃないの」
 そう言うと真姫ちゃんは、私の顔を、体ごと胸元まで引き寄せてくれる。
 いつもと同じく、私と同じ匂いがする。
 伝わって来る真姫ちゃんの音、ああそっか真姫ちゃんも、今日もドキドキしてくれてたんだ。
 嬉しくなって、ママと寝る時みたいに、真姫ちゃんの身体にしがみついた。
「ありがと、真姫ちゃん」
 私の今の凄く嬉しい気持ち、真姫ちゃんに伝わったかな。
 真姫ちゃんの体温、私よりも高いから、暖かい。
 私は体温低いから、真姫ちゃんの体温奪っちゃうばっかりで、何だか申し訳ないな。
「にこちゃん、明日もまた、一緒に頑張ろうね」
 真姫ちゃん、私の事を抱き締めてくれた。
「うん、また明日。お休みなさい」
 何だか、いつも以上に安心出来てしまって、今日は直ぐに眠れそう。
「お休みなさい、甘えん坊なにこちゃん」
 やっぱり今日みたいな私は、真姫ちゃん以外には、とても見せられない。

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