にこちゃん誕生日おめでとう!記念② : 紅と桜 プロローグリライト~真姫とにこ~(ラブライブ! 二次創作 短編 にこまき)/雨泉洋悠

   紅と桜 プロローグリライト
             ~真姫とにこ~

              雨泉 洋悠

 桜色を燃やし尽くす、情熱の赤い炎、高貴な猫
 高くて、強い目線、長い、細い手足、綺麗、ああいう素敵な子が、きっとにこなんかと違って、本物のアイドルになっていくんだろうな、素敵な声で、歌うんだろうな、甘いんだろうな。
 にこと一緒に、あんな子がアイドルやってくれたら、きっと、一番の特等席で、ずっと眺めているのにな。

 微睡む意識、薄暗かった意識の底から、溢れた花びらを、振り舞わせ、光の中に、立ち戻る。

 瞼を開けば、視界に広がる、情熱の紅。
 同時に、意識を呼び起こす、その紅色から、私の心に触れてくる、彼女の匂い。

 その紅色に、私は顔を埋める。

 何時の頃からか、何度となく夢想した、彼女との、桜色の引き合わせ。
「ん、にこちゃん?」
 彼女も起きた、私の大切な、真姫ちゃん。
 私達を照らす光は、オレンジ色で、真姫ちゃんの紅色を、良く引き立てて、優しく撫でる。
 私もその匂いに、顔を埋めたまま、愛おしい紅色を撫でる。
「お目覚めね、真姫ちゃん。皆帰った後、二人で寝ちゃったみたい、もう夕方よ」
 こないだと同じ長椅子、今日はもう、真姫ちゃんは、あの日と違う、強い真姫ちゃんだ。
「うんん、そっか、どうしようにこちゃん、帰る?」
 眠たげなその高貴な瞳を私に向けて、目元を擦りながら、甘えたような声で言う。
 真姫ちゃん、可愛いな。
 私は今、凄い満たされてる、この溢れる想い、もう何時だって真姫ちゃんに、伝えられるんだ。
「真姫ちゃん可愛い。もうちょっとここにいよう。大丈夫、ちゃんと送るから」
 真姫ちゃん、また瞼を閉じちゃった。
「うん、解った」
 更に、私に身体を預けてくる真姫ちゃん。
 真姫ちゃん、背高いけど、軽いよね、スタイル良い、私の理想。
「真姫ちゃん、そう言えば、真姫ちゃんのママ、観に来てくれてたね。良かったね」
 そう、真姫ちゃんのママ、普通に観に来てくれてた。
「うん、にこちゃんのお陰、ありがとう」
 真姫ちゃんと、こう言う関係になれて、私はやっぱりいま、すごい幸せ。
「真姫ちゃん、私との最初の出会い、ちゃんと覚えてる?」
 それでも、ちょっと、真姫ちゃんに、私達の出会いについて、聞いてみたい。
「うん、覚えてる。にこちゃん面白かったし、変だった。でも、にこちゃんが心の奥に隠そうとしてた、不安に気付いた時、可愛いなって思った。見た目だけじゃないの、何て言うか、全部なの」
 今もまだ、二人の時だけに、見せてくれる、素直な真姫ちゃん。
 あの日の出会い、私にとっても、凄く大切。
「真姫ちゃんはさ、私と、どんな出会いをしたかった?出会えなかったとしたら、どうだった?」
 それでもね、少しだけ真姫ちゃんの気持ち、聞いてみたくなったの。
「えー、私はどんな出会いでも良かったよ、にこちゃんと出会えるなら何でもいい、会えないことなんて考えたくもない。どんな形であっても、にこちゃんに会えるならそれでいい……」
 そう言いながら、真姫ちゃんの、閉じた瞼の奥から、一滴、二滴。
「でもね、こうして出会えたこと嬉しいし、この関係で出会えて良かったと思っているけれども、それでもね、何度か思ったよ。私が、にこちゃんと同い歳で、同じ時にこのオトノキに入学して、ごく自然に、にこちゃんの色が溢れる季節に出会えて、二人で、最初から、一緒に歩いて行けていたらなあって、そうでなくても、もうちょっとだけ早く、春の陽射しの中で、にこちゃんに会えていたらって……」
 溢れ出す、真姫ちゃんの想い、私の心に、全部届く。
 真姫ちゃん、泣かせちゃうのは、胸が締め付けられて、辛いけど、真姫ちゃんが、にこと同じ、その事に泣いてくれること、嬉しいの。
「ありがとう真姫ちゃん、私も何度も思った、何度も夢に見たよ。私は、真姫ちゃんと過ごせる時間が、本当はもっと欲しかった」
 いつの間にか、私の頬も滴が伝ってて、真姫ちゃんの滴と、融け合って、流れていく。

 私達の縁を繋いでくれた、きっとそう女神様、最高級の感謝を、出会いを下さった貴女に捧げます。
 それでも、どうあっても、あなたの引き合わせに対して、私と真姫の、乙女の部分が、疼くんです、嘆くんです、どうかお赦し下さい。

 本当は、真姫ちゃんの誕生日、私がちゃんとお祝いしてあげたかった。
 私の誕生日を、来年は真姫ちゃんが、どう祝ってくれるのかなとか、楽しみにしたかった。
 二人の夏休みを、来年は何処に行こうかとか、話したかった。
 卒業したって、もう絶対に私達は離れないけれども、それでも、私は、この学校に、もっと、真姫ちゃんと一緒に、居たかった。
「にこちゃん、それでもね、やっぱり私は、にこちゃんとこの形で出会えたことも嬉しいの。だって私には、ミューズの皆とは別に、にこちゃんと二人っきりで、にこちゃんの卒業を、哀しむ権利があるの、惜しむ権利があるの。それは、他の皆にはあげない、私だけの、特別な想い出になるの」
 真姫ちゃんの訴えは、子どもじみたように見えて、でも私達の関係、全てを受け入れる強さを感じて、私は思う、それでもやっぱり、私は真姫ちゃんで、良かった。
「ありがとう、真姫ちゃん。また明日から、一緒に頑張って行こう。残りの半年間、二人でちゃんと、楽しんでいこう」
 二人だけの、時間、皆との時間、ちゃんと、楽しもうね、真姫ちゃん。

 にこちゃんに送ってもらいながらの、帰り道、にこちゃんが唐突に言った。
「真姫ちゃん、私これから、皆の前では、真姫って呼ぶからね」
 にこちゃん、また変な事言っている。
「何それ、意味わかんない」
 つまり、二人だけの時はちゃん付けのままだってことだ。
「良いの、私はね、真姫ちゃんとの先輩後輩の関係も大好きなの、それにほら、少しは対外的なアピールも必要なのよ」
 ついさっき、二人で、これからも皆の前での関係は変わらずに行こうって話したのに、やっぱり意味わかんない。
「真姫ちゃんには、自分の魅力に最低限もうちょっとだけでいいから、ちゃんと気付いていておいてほしいのよね、本当は。ほら出待ちの件とかもあったでしょ?あれだって私の中じゃ気が気じゃなかったんだから」
 私の魅力とか、何だか良く解かんないけど、それはきっと私のこだわりと同じで、にこちゃんの中で、譲れない部分なんだろうな、きっと。
「はいはい、好きにしなさいよ。これからも皆の前での態度、私多分変えないからね」
 ここらへんとか、私の中で譲れない部分。
 いきなり皆の前でベタベタするとか、柄じゃないし、にこちゃん以外の人が見てるところでなんて、第一……恥ずかしいじゃない。
「うん、それがいい、これからだって、喧嘩もしたいし、意見もぶつけあいたいし、ただ単に真姫ちゃんと仲良く過ごすんじゃなくて、色んな真姫ちゃんをきちんと見て、受け止めて、これからを過ごしたいの」
 もう、こう言う時だけ、大人な顔して、大人な事言って。
 本当にもう、にこちゃんは可愛いし、格好良いし、素敵なんだから。

 そうやって、私の気持ちを、どれだけ止まらなくさせるつもりなのかしら。
 もう、止める気なんて無いからね、私。

「にこちゃん、今日も、家に泊まって行きなさいよ。こんな暗い時間に一人で帰したくないし、ママも喜ぶから」
 そう言うとにこちゃんは、きょとんと子供みたいな顔した後、桜の花が咲いたように、華やかに笑うの。
 私達の物語、またここから始まるの。

 にこと真姫、二人の物語。
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